卒業生対談

Graduate dialogue

Team Approach
Interview

卒業生に聞きました!

学科を越えたチームアプローチ教育

YMCA米子医療福祉専門学校には理学療法士科・作業療法士科・介護福祉士科の3つの専門職養成コースがあり、学科を越えたチームアプローチ教育を実践し、幅広い視野を持つスペシャリストを育てています。

トークメンバー

荒木 大輔
荒木 大輔Daisuke Arak
医療法人社団昌平会
大山リハビリテーション病院勤務
2002年度 理学療法士科 卒業
山口県立華陵高等学校出身
森坂 菜智Nachi Morisaka
養和病院勤務
2013年度 介護福祉士科 卒業
倉吉北高等学校出身
遠藤 隼輝Toshiki Endo
日南町国民健康保険日南病院勤務
2014年度 作業療法士科 卒業
米子松蔭高等学校出身

Q. 今、実際のチーム医療の現場ではどのような難しさがありますか?

荒木 一人の患者さんに複数の医療専門職が連携・協働してそれぞれの専門スキルを発揮し、治療やケアにあたる「チーム医療」は、その患者さんにとって一番良いアプローチを行うためにとても重要です。高いレベルの専門性をもって、見る視点が違うからこそ気づけることがあり、患者さん中心の医療を行うためにもチームのみんなでしっかりと話し合いを行うことが大切です。例えば、理学療法士として考えると、患者さんに歩行をどんどんやっていただきたいと思っても、それ以外にも、排泄など日常生活の動作や、言語などのリハビリもあります。だから、患者さんにとって必要なことをそれぞれの分野の専門家が一緒になって考えていかなければなりません。チーム医療を推進していく上で、今はいろんな工夫をして改善されたのですが、以前は、例えば、お願いした介助がうまく伝わらなかったり、情報共有で苦労したことはありました。

遠藤 YMCAでは、理学療法士と作業療法士、介護福祉士の学科を越えた交流もあるので、違う科のことを基本的には理解できたり、分かり合える部分がありました。しかし、実際に臨床に出てみるとそれ以外の専門職の方々もたくさんいるので、それぞれの職種の専門性について理解するために、自分なりに勉強して理解していかなければならない大変さはありました。

森坂 医師や看護師、言語聴覚士や医療ソーシャルワーカーなど、ひとりひとりの役割があって、学校の授業では1、2時間でまとまる話し合いも、実際の現場だと、立場によって意見が違っていたり、時には対立したりと、何時間もかかったり、2、3日話し合うこともあります。それが良いと思ってそれぞれが意見を出し合っても、全てを組み込むと患者さんの負担にもなりますし、方向性が違ったりすることもあるので、ひとつのことを統一して決めるということはとても難しい作業です。

荒木 自分の専門とする立場だけで考えると、気づかず偏ってしまうこともあります。やはり患者さんにとって必要なことをチームでバランスよく考えてベストなアプローチをとっていく必要があるということを実際の現場で学びました。

YMCA
だからこそ身につく
優れた実践力

Q. YMCAでのチームアプローチ教育はどのように役に立ちましたか?

荒木 私の学生時代はチームアプローチ教育がまだ行われていなかったので、仕事に就いた当初はリハビリ中心の視点で考えてしまい、看護師さんや介護福祉士さんなどと意見の食い違いや衝突が起きたこともありました。患者さんが社会復帰するためには、仕事や日常生活などを含めた広範な視点に立った治療が必要です。そのために、多くの専門家がそれぞれの立場や専門性で力を合わせ、協力しあっていかなければなりません。

遠藤 YMCAの後輩たちはチームアプローチ教育を受けてきているのでチーム医療の大切さを認識していて、自分の意見をしっかり持ち、どんどん質問してきます。YMCAは、授業だけでなく、行事やサークルなどでも学科を越えた交流があるので、情報も入りやすく、分かり合えるので、その関係性も臨床現場で役に立っているように思います。病院や介護事業所など、それぞれの組織の特徴によって違うとは思うのですが、私の働いている病院では、理学療法士と作業療法士がそれぞれの専門性を保ちつつも、垣根を越えて協力し合わなければならない部分があります。月に一回必ず研修会を開き、お互いの専門分野について勉強して、総力戦で取り組んでいます。

森坂 他の学科と合同で行う授業があったお陰で、いろいろな立場の人の考えや視点を知ることができ、視野が広がりました。この授業がなければ、「私は介護福祉士だから他の仕事の話は聞いてもわからない」と考えていたかもしれません。例えば、歩行のことがわからないから理学療法士さんに聞いてみようとか、食事がしがたいようだけど作業療法士さんに相談してみようというように、実際の現場に出てから活かされています。些細なことでも気づいたら、一人で考えず専門職の方達に聞くようにしています。そうすることで相談に乗ってくれる人たちにいろいろな意見が聞けるので、より良いケアができることに繋がっています。

Q. これからチーム医療を学ぶ学生達に伝えたいことはありますか?

荒木 チーム医療に携わる上で、まずなによりも自分の医療専門職における技術や知識などがしっかり身についてないと信頼関係を築くことはできません。自分の意見を通そうとしたり、自分一人でなんとかしようとするのではなく、きちんと話し合いをして、それぞれの分野の医療専門職が納得することが、患者さんにとって良いアプローチとなります。チームで医療を行っているという意識を持って臨床に取り組んでください。

遠藤 我々の仕事はひとりでは絶対にできません。だからこそ、自分の専門分野だけでなく、連携する他の職種の専門的なところにも視野を広げて欲しいと思います。いろいろな職種が協力しあってこそ良いケアができるので、チームのひとりひとりに感謝の気持ちをもって携わることも大切です。チーム医療はノウハウだけではなく、仕事への姿勢も磨かれていきます。私自身は、1年目の頃は任された仕事に一生懸命で余裕がなく、経験とともに徐々にわかるようになってきたこともあるのですが、チームアプローチ教育を受けて臨床現場に出る人たちは、もう少し余裕をもってチーム医療に取り組めるのではないかと思います。

森坂 チーム医療に携わるには、自分が身につけなければならない専門的な知識や技術をしっかりと習得した上で、連携する他の職種の方の意見を聞かないと、他の意見に流されてしまうこともあると思います。実際のチーム医療では、理学療法士と作業療法士、介護福祉士だけではなく、多岐にわたる専門職の方が関わってきます。その中で、自分の意見を言いつつ、人の意見もちゃんと聞くということがチームアプローチでは大事だと思います。学校では、授業だけでなく、いろいろな場面で他の学科の人との交流を図ってください。YMCAで学科を越えた人間関係を築くことは、相互理解を深め、経験を高めることにもつながり、実際の臨床現場でも、さらに視野を広げていくことができるでしょう。

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