作業療法士科

作業療法士科 Occupational Therapist

一人ひとりが望む暮らしを叶えるために生活能力の回復をサポートする専門家
身体や精神の障害を抱える人々が自分の力で主体的に生活できるよう、
食事や家事など日常生活や仕事、余暇等、様々な能力の回復を目指して
治療や指導を行う国家資格者です。
作業療法の「作業」とは陶芸や木工などの特定の活動だけではなく、
人が生きる上の行動・活動すべてを指します。
つまり、その人にとって「できる作業」を引き出し、
一人ひとりが望む生活が円滑にできるよう
サポートするのが作業療法士の役割です。

将来の進路

  • 総合病院・一般病院
  • リハビリテーションセンター
  • 精神障害にかかわる病院・施設
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 老人・障害者(児)福祉施設など
  • 行政機関

YMCA米子医療福祉専門学校を卒業した作業療法士は417名

作業療法士が必要とされる領域

  • 身体障害

    脳血管障害、脊髄損傷、パーキンソン病、切断、骨折、糖尿病など病気や事故によって身体機能に障害を持った人が社会復帰を目指す上で作業療法の知識・技術は不可欠。またきめ細かいコミュニケーションで精神的にケアすることも重要です。必要に応じて家屋の改修、手の装具や自助具の考案、介助者へのアドバイスも行います。

  • 老年期障害

    高齢化に伴い、認知症や廃用症候群、脳血管障害、パーキンソン病などで生活機能に障害を持つ高齢者が増え、急速にニーズが高まっています。高齢者の場合は機能の低下だけでなく意欲を失っている場合も多いので、作業を通して生活能力の回復を目指すとともに、好奇心や生きがいを見つける心理的なサポートも求められます。

  • 発達障害

    脳の障害などの病気や先天性異常、知的障害、学習障害、自閉症など、子どもの発達障害におけるニーズも少なくありません。子どもの場合は運動・生活・学習機能を把握した上で、将来を考えた長期の作業療法計画が必要です。

  • 精神障害

    対象となる障害は、統合失調症、うつ病、アルコール依存症など多様です。作業療法士は日常生活機能の回復を目指した治療、指導を行いながら精神の安定を図り、人間関係の構築や社会生活の改善まで見据えて支援します。

  • 公的機関その他

    市町村などの行政機関や福祉施設、高齢者施設など、介護・福祉の現場が作業療法士を求めるケースも増えています。ホームヘルパーやケアマネージャーなどと共に、地域住民のより良い生活を支援する役割を担います。

学科の特長

豊富な実習や演習

他校と比べても臨床実習は大変充実しています。また、臨床実習以外にも米子市や境港市の協力で地域での演習、保育所での演習、就労支援施設への見学など多くの演習をしています。

  • ●基礎作業学実習Ⅰ①[陶芸]

    陶芸作品を製作することで、伝統的な技法や工具の安全な使い方を理解し、素材に対する知識を深めます。新しい発想や個性を大切にしながら、製作を進めていきます。

  • ●生理学Ⅰ・Ⅱ

    人体の各臓器の役割を解説し、それらの働きがどのようなメカニズムによって調節されているか説明します。さらに、病気の時に見られる症状がどのようにして起こるのか、生理学的な思考法で考えられるようにトレーニングします。

  • ●作業療法概論Ⅰ・Ⅱ

    作業療法を取り巻く理論について概観し、作業療法を実施する上で必要な理論を学びます。また、作業療法士として必要な資質、管理運営技能等についても理解を深めていきます。

  • ●作業療法評価学演習Ⅰ・Ⅱ

    作業療法の領域で使用されている評価法(検査・測定など)に関する知識と技法を学習します。対象者に行う上で安全に・効率よく・正しく実施できるよう、担当教員の実演を見てから学生同士で検査・測定を行ったり、学生同士で実施方法を考えたりします。

  • ●子どもの作業療法

    運動・精神・言語・社会性の正常発達を講義と保育所実習を通じてひと通り学びます。その後、疾患別に作業療法評価治療法について学びます。遊びを介した治療的な関わり方を実際に障害児へ提供して習得します。

  • ●精神障害の作業療法

    統合失調症、気分障害をはじめ精神障害リハビリテーションの対象は多岐にわたります。精神障害について正しい理解を図ると同時に、各疾患の特徴や回復に応じた作業療法の評価、介入方法を学びます。

作業療法士科 Occupational Therapist

年間スケジュール

作業療法士科 Occupational Therapist

カリキュラム

  • 1年次

    作業療法士への
    基礎知識の習得

    必修科目
    • 心理学
    • 情報処理学
    • 統計学
    • 英語Ⅰ
    • スタディスキルⅠ・Ⅱ
    • 解剖学Ⅰ・Ⅱ
    • 解剖学演習
    • 生理学Ⅰ・Ⅱ
    • 機能解剖学
    • 病理学概論
    • 臨床心理学
    • リハビリテーション概論
    • 社会保障制度概論
    • 作業療法概論Ⅰ・Ⅱ
    • 基礎作業学実習Ⅰ
    • 作業療法評価学概論
    • クリニカルスキルⅠ
    • 臨床見学
    選択科目
    • 人間関係論Ⅰ・Ⅱ
    • 法学
    • 経済学
    • 物理学
    • 生物学
    • 生命科学
    • 保健体育学
    • 保健体育学実習
    • 英語Ⅱ
    臨床見学

    1年次前期:45時間
    臨床実習指導者や引率教員の監督のもと、施設や作業療法の業務内容を見学・観察をします。作業療法士が活躍している場面の見学を通して、自分が目指す作業療法士の役割や業務内容を理解します。

  • 2年次

    作業療法治療学の
    基礎固め

    必修科目
    • 解剖学実習
    • 生理学実習
    • 神経生理学
    • 運動学
    • 運動学実習
    • 人間発達学
    • 病態生理学
    • 内科学
    • 整形外科学
    • 神経内科学
    • 精神医学
    • 小児科学
    • 公衆衛生学
    • 基礎作業学
    • 基礎作業学実習Ⅱ・Ⅲ
    • 作業療法評価学演習Ⅰ・Ⅱ
    • ADL関連評価学
    • 身体障害作業療法総論
    • 内部障害の作業療法
    • 運動器疾患の作業療法
    • こどもの発達と遊び
    • こどもの作業療法総論
    • 精神障害の作業療法Ⅰ
    • 精神障害の作業療法Ⅰ演習
    • クリニカルスキルⅡ
    • 地域社会学
    • 臨床体験実習
    選択科目
    • 生化学
    • 英語Ⅲ・Ⅳ
    臨床体験実習

    2年次後期:90時間
    臨床実習指導の先生が行う業務に同行し、先生の作業療法を見学します。人間関係の形成や倫理観を学びながら、作業療法の業務内容を把握します。

  • 3年次

    作業療法の
    知識・技術の習得

    必修科目
    • リハビリテーション医学
    • 医学検査法
    • 作業療法学研究法
    • 作業療法学研究法演習
    • 脳血管障害の作業療法Ⅰ・Ⅱ
    • 変性疾患の作業療法
    • 脊髄損傷の作業療法
    • 介護保険と作業療法
    • 認知症の作業療法
    • 老年期障害作業療法演習
    • こどもの作業療法Ⅰ・Ⅱ
    • 精神障害の作業療法Ⅱ
    • 精神障害の作業療法Ⅱ演習
    • 作業療法ゼミナール
    • 地域作業療法学
    • 地域生活マネジメント論
    • 地域作業療法学演習
    • 臨床推論実習
    選択科目
    • 英語Ⅴ
    • スポーツ生理学
    • 障害者スポーツ論
    研究論文等発表会

    3年間学習する中で興味を持ったテーマについて、4~5名のグループで研究を進め、後輩・教員・保護者の前で学会形式で発表します。

    臨床推論実習

    3年次後期:270時間
    臨床実習指導の先生が行う業務に同行し、指導を受けながら評価の実施・治療計画の立案を行います。臨床推論を織り込んだ作業療法の実施手順を理解します。

  • 4年次

    即戦力となるための
    実践力の養成

    必修科目
    • チームアプローチ論
    • 作業療法総合演習
    • 総合臨床実習Ⅰ・Ⅱ
    • 臨床実習セミナー
    総合臨床実習Ⅰ・Ⅱ

    4年次前期:720時間
    臨床実習指導の先生が行う業務に同行し、指導を受けながら治療計画に基づいて治療を実施します。記録や報告、作業療法の管理業務などを行うことができる力を養います。

1年前期時間割例

 
19:00~10:30 クリニカルスキル   臨床心理学 経済学 人間関係論I
210:40~12:10 生物学 生理学I 心理学 保健体育学 社会保障制度概論
313:00~14:30 スタディスキルI 解剖学Ⅰ 英語I 情報処理学 法学
414:40~16:10   解剖学II
(~17:05) 
作業療法概論I   基礎作業学実習I
②(織物)
516:20~17:50     基礎作業学実習I
①(陶芸)
   
 学生は必ず施設や病院での実習を行います。その実習における心構え、報告書の書き方、対象者(患者)との関わり方、コミュニケーション技法など、現場実習に必要なスキルを学ぶ時間です。

作業療法士科 Occupational Therapist

卒業生からのメッセージ

自分の考えに胸を張れるよう
常に全力で真摯に取り組みたい

日野 祐樹
医療法人 友紘会 皆生温泉病院 勤務
作業療法士科2011年卒業
島根県立松江農林高等学校出身

作業療法に大切なのは機能訓練だけではなく、その患者さまが何に興味を持ち何を楽しみにしているのか、個性に寄り添うことが不可欠だと実感しています。答えは一つではないので、自分がなぜその方法をとったのかをきちんと説明できる根拠や責任も必要です。近年、作業療法士は増え、これからは選ばれる時代だと思います。自分の強みをはぐくみつつ、どんな場面にも通用するプロフェッショナルとして成長していきたいです。