久しぶりのひろばです。今回は「学思」というこども文化教室を訪問しました。非営利ではありませんが、中国人児童のために母語保持を目指して開いている中国語教室を見学してきました。

 

中区のデパートなどがある繁華街をちょっと離れたビルの2階。階段を上がっていくと、元気な子どもたちの声が聞こえてきました。中国語の先生、王さんの良く通る声について、中国語を繰り返す元気な声。使われているのは中国で子どもたちが学ぶ本でした。

授業を見学していると、子どもたちは日本語が禁止されているらしく、途中まで日本語を話しませんでした。ところが中国語がわからない訪問者のために、読んでいる文章を1人が通訳する、という作業をしてくれました。日本の小学校に通っている子供たちなので、日本語は完璧、かつ中国語しか話さない先生の言っていることをしっかり理解して反応しています。冗談になると、中国語で返したり、日本語で返したり、自在な反応に驚きます。

主宰の王革さんは、この本を選んだことについて、子どもたちに中国の子どもたちがどのような倫理や考え方を学んでいるか知ってもらいたいことと、日本で学ぶことと比べて、良いところ・違うところを自分で理解し選択してほしいから、とその理由を話してくださいました。そして、「学思」の名前の由来について、次のように話してくださいました。

主宰 王革さんのお話:

学思の名前の由来は孔子の言葉「学而不思則罔、思而不学則殆」(学びて思わざれば即ちくらし、思うて学ばざれば即ちあやうし)から引用し、教室での「学」を将来の「思」に基礎を付けるという思いを込めています。
この教室はただ中国語を教えるだけではなく、中国の伝統的な儒教思想を少しでも子供たちに勉強していただきたいと願っています。そのため、4月から、こどもたちの保護者の了解を得て、中国の昔の啓蒙教育本、「弟子規」を授業中に取りいれる予定をしています。「弟子規」は論語・学而の「子曰:弟子入則孝、出則悌、謹而信、汎愛衆、而親仁、行有余力、則以学文」(子曰く、弟子、入りてはすなわち孝、出でてはすなわち悌、謹みて信あり、汎く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あらば、すなわちもって文を学ぶ。)という「孝」、「悌」、「謹」、「信」、「愛」、「仁」、「学」の七つのキーワードを中心に、儒教の基本的な礼儀作法、生活規範、道徳などを基に具体的な日常生活の行いを細かく指導する啓蒙教本です。「弟子規」を教育の重要な部分の一つとして取り入れるのも、学思の今の「学」を将来の「思」に役立てること、という理念からです。

「学思」では中国語だけでなく、絵画教室、英語クラス、一般日本人を対象とした中国語教室などの活動も行っています。国籍に関係なく、中国人、日本人の子どもたちが混じって学ぶ教室として開かれています。
開始当初は基町の高層アパートの近くで教室を開いていたそうですが、こちらに引越してきたそうです。始めは赤字、持ち出しの状況で、現在でも儲け抜きで活動することを大切に、第一にと考えて活動されているそうです。